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学習シーン
国語の勉強をはじめるとき
「これから勉強を始めよう!」というとき、あなたはどの教科から手をつけますか? 苦手な教科、伸ばしたい教科へ打ち込むのは皆同じかもしれませんが、国語教科は得意な人も苦手な人も後回しにしてしまう傾向が非常に強いです。同じ語学系教科である英語と比べても、多くの人が英語を優先して勉強するのではないでしょうか。
英語は、単語・文法・発音からリスニングまで、「一から学習しなければ分かるはずがない」という前提があるため、自然に前のめりな姿勢になります。それに比べ国語は「普段遣っている言語だから……」「きっと、勉強しなくてもある程度なら分かるから……」と軽視され、後回しにされてしまうのです。
しかし、誰もがある程度分かる問題によって、大学に適する学力か否かを判断できるのでしょうか? 国語教科は「なんとなく分かる」と感じやすいところに大きな落とし穴があります。「確実に理解できた!」と言えるまで学習できたか否かが、明暗を分けてしまうかもしれません。
国語科目に割きたい勉強時間は?
志望校に合格するための国語の学習には、大まかにみて650~900時間が必要となります。内訳としては、現代文の学習に400~550時間、古文に200~250時間、漢文に50~100時間を目安にしましょう。
特に見誤りやすいのが古文の学習。現代文に慣れて古文の文法や単語を忘れ、誤った読解を招かないよう意識的な学習を心がけてください。さらに、センター試験においての古文は難関傾向にありますので、300時間程度の学習が必要となります。
国語は「やれば必ず伸びる」!
上記の時間について「そんなにやって、結果に結び付かなかったら……」と感じてしまう人や、これまでの学習でしっかり勉強したつもりでいても点が伸び悩み、成果を感じられなかった人もいるかもしれません。
なぜ国語の点数が「ある程度」から伸び悩むのか? その理由は、「国語は総合問題が多い」という特徴があるから。例えば古文を学習する上で、高得点をとるため懸命に単語を暗記したけれど点数に結び付かず、モチベーションが下がってしまう……という場合には、「単語に偏りすぎ、総合的な学習ができていない」という原因があります。
単語だけをひたすら覚えるのではなく、文法、読解もあわせて理解できるようになってはじめて、点数に結び付くのです。こうした総合的な学習を計画的に進められれば、時間に比例して伸びていくでしょう。
国語の点数をあげるためのコツ
では、国語の点数をアップするためには、具体的にどうすればいいのでしょうか? 解決策はいたってシンプル。とにかく、古文と漢文の学習を重点的に行ってください。
センター試験では、現代文・古文・漢文はセットで出題されます。そして、古文・漢文の問いには知識を問われるものが多く出題されます。知識系の問題は、必ずしも「悩む時間が長ければ正答率が上がる」というものではありません。テストが始まった段階で準備が不足していれば、答えようがないものもあるでしょう。それに対し現代文の問題は読みこぼしなくじっくり取り掛かることで、正答率が上がっていきます。
試験中、現代文に45分、古文に20分、漢文に15分割くことを目安に進めていきます。このとき、古文・漢文が得意であれば、目安の時間よりコンパクトに仕上げることができます。さらに余った時間を現代文に充てれば、丁寧に問題と向き合えるのです。
古文・漢文は現代文に比べ、問題を解くまでの所要時間も長くありません。試験当日までに、古文・漢文をしっかりと学習していきましょう。
国語の学習ポイント
では、上記の時間をどのように使っていけばいいのでしょうか。これにも、いくつかのポイントがあります。
現代文について
先ほど述べた通り、現代文は特に軽視されやすく「なんとなく学習」でやった気になってしまうことも。
しかし、確実に点数に結び付けるためには「接続詞」と「段落」を意識して、全体の流れを把握しながら読み進めなければなりません。さらに、問題文を読むときはもちろん、普段の生活でも語彙を増やすことを心がけながら本や新聞を読み、分からない語句は後回しにせずきちんと調べるなどの習慣づけが大切です。
古文について
とにかく、単語・文法・読解をバランスよく進めていかなければなりません。どれか一つに特化しようとも、文法・単語を正しく理解した上で現代語訳ができていなければ、誤答を招いてしまいます。
現代語訳問題についても、減点法のため「文法・単語を理解し正しい訳が出来ているか?」が鍵となります。また、選択肢の問題についても同様に、その点をしっかり意識して解いていくことができれば正答をつかみやすくなります。
基本的な文法と単語をおさえた上で、対語訳をたくさんこなして確実な力をつけましょう。
漢文について
まずは、基本的な句法を覚えるところからはじめましょう。ある程度分かるようになってきたら、次はセンターの過去問を繰り返し、15年分解いてください。色々な問題形式に慣れようと努力するより、センターの形式に慣れてしまいましょう。
繰り返し学習する内に傾向やコツが次第に見えてきたら、本番で同じ句法が登場しても良いように解説をしっかりと熟読し、根拠を持って答えられるようにしておきましょう。
おわりに
国語はある程度の学習で、ある程度の点数がとれてしまうと「なんとなく出来る」と誤解しやすい危険な科目です。しかしその甘い認知が明暗を分けてしまうかもしれません。
確かに現代文は読みなれた言葉で書かれていますが、だからこそ古文・漢文に焦点を当てた計画的な学習を進めれば飛躍的な成果が出ることも。苦手科目をゼロから1に持ち上げるより、国語の1を100に繋げるほうが確実かもしれません。やれば必ず結果に繋がる国語ですから、十分に時間を割いて確かな成果を手にしましょう。